こんな方におすすめ
- 「酒を飲む=筋トレは無意味」と言われてやる気を失った経験がある人
- 完璧な食事管理や禁酒がストレスになって続かなかった人
- 筋トレをしたいが、毎日の晩酌をやめられない人
「筋トレするなら酒はやめろ」
これは、筋トレを始めた人が一度は耳にする言葉だ。SNSや動画では、アルコールが筋肉に与える悪影響が繰り返し語られ、禁酒こそが最短ルートだという主張も多い。確かに、理論上は正しい部分もある。アルコールは筋肉の回復を妨げ、ホルモン分泌にも悪影響を与える。
しかし、ここで一つ立ち止まって考える必要がある。
現実の生活の中で、酒を完全に断てる人はどれくらいいるのだろうか。
仕事終わりの一杯で気持ちを切り替えている人。
人付き合いや習慣として、毎晩酒を飲む人。
酒をやめるとストレスが溜まり、逆に生活が崩れる人。
こうした人たちに対して、「酒をやめない限り筋トレは意味がない」と言い切るのは、あまりにも現実から乖離している。
筋トレの目的は何だろうか。
大会で勝つことか、プロを目指すことか。
それとも、健康を維持し、体力をつけ、見た目を少し良くすることか。
多くの人にとって、筋トレは人生を良くするための手段だ。
その筋トレが、酒を断つストレスによって続かなくなるのであれば、それは本末転倒だろう。
この記事では、「酒は筋トレの敵」という単純な二択ではなく、
酒を毎日飲む人が、どうすれば筋トレを成立させられるのか
という現実的な視点で整理していく。
なぜ酒は筋トレに悪いと言われるのか、そしてどこまでが本当なのか
酒が筋トレに悪いと言われる最大の理由は、「回復」にある。筋トレは筋肉を成長させる行為ではない。筋繊維を一度壊し、その後の回復過程で以前より強くなる。この回復がうまくいかなければ、いくらトレーニングをしても成果は出にくい。
アルコールは、この回復プロセスに複数の悪影響を及ぼす。まず挙げられるのがホルモンへの影響だ。テストステロンや成長ホルモンは筋肉の修復・成長に関与するが、アルコールはこれらの分泌を抑制するとされている。特に大量飲酒や連日の深酒では、その影響が顕著になる。
次に、水分と栄養の問題がある。アルコールには強い利尿作用があり、体は脱水状態になりやすい。筋肉は水分が不足するとパフォーマンスも回復力も落ちるため、これは明確なマイナス要素だ。また、酒を飲むことで食事が疎かになったり、タンパク質摂取が不足したりするケースも多い。
さらに見落とされがちなのが睡眠だ。酒を飲むと寝つきは良くなるが、深い睡眠は阻害されやすい。結果として、寝ている時間は確保していても、筋肉の修復が不十分になる。
こうした理由から、「酒=筋トレの敵」という図式が生まれる。
ただし重要なのは、これらの悪影響は酒そのものよりも、量・頻度・飲み方に大きく左右されるという点だ。
少量の飲酒と、毎晩泥酔する生活を同列に語るのは無理がある。
問題なのは「酒を飲むこと」ではなく、「無管理で飲むこと」なのだ。
それでも酒を毎日飲みながら筋トレが成立する理由
理論だけを見れば、酒と筋トレは相性が悪い。しかし現実には、酒を飲みながら体を変えている人は確実に存在する。その理由の中心にあるのが「継続」という要素だ。
筋トレにおいて、継続以上に重要なものはない。どれだけ理想的な生活をしても、数か月でやめてしまえば意味がない。一方で、多少効率が落ちても、何年も続けられれば体は確実に変わる。
酒を完全に断つことでストレスが溜まり、筋トレ自体が苦痛になる人は多い。そうした人にとって、禁酒は筋トレの味方ではなく敵になる。酒を我慢することが目的になり、肝心のトレーニングが疎かになるからだ。
また、一般人とプロアスリートを同じ基準で考える必要はない。大会直前のボディビルダーやトップアスリートにとって、アルコールは致命的なリスクになり得る。しかし、健康維持や見た目改善が目的の人にとっては、多少のアルコールは致命傷にはならない。
むしろ、酒によって精神的な余裕が生まれ、生活リズムが安定することで、結果的に筋トレが続くケースもある。筋トレは身体だけでなく、メンタルとも密接に関わっている。
「酒を飲む=努力が無駄になる」という極端な発想を捨て、
酒と共存する筋トレを設計できるかどうか。
ここが分かれ道になる。
酒と筋トレを両立させるための現実的な考え方と判断基準
酒を毎日飲みながら筋トレを成立させるには、いくつかの判断基準が必要になる。まず重要なのは、「目的」をはっきりさせることだ。体を少し引き締めたいのか、筋肥大を狙いたいのか、健康維持なのか。目的によって、酒との距離感は変わる。
次に、「量」を管理する意識が不可欠だ。毎日飲むとしても、酔うまで飲む必要はない。リラックスできる範囲で止めることができれば、回復への悪影響は大きく抑えられる。
タイミングも重要だ。筋トレ直後は、筋肉が栄養と休息を求めている時間帯だ。このタイミングで大量に酒を入れると、回復効率は確実に落ちる。水分補給やタンパク質摂取を優先し、その後に少量飲む。この順番だけでも違いは大きい。
そして何より、睡眠を犠牲にしないこと。酒を飲む日でも寝る時間を固定し、深酒による夜更かしを避ける。筋トレと酒の相性を最悪にするのは、アルコールそのものよりも「酒を理由に生活が崩れること」だ。
酒を完全に排除するのではなく、
酒に振り回されない設計をする。
これができれば、酒を毎日飲みながらでも筋トレは十分成立する。
まとめ
酒を毎日飲みながら筋トレは成立する。
ただし、それは無計画に飲む場合ではない。
酒が筋トレに悪いと言われる理由は確かに存在する。しかし、その多くは量や飲み方、生活習慣によって増幅されるものだ。酒そのものが即アウトなのではなく、管理できていない状態が問題なのだ。
続かない完璧より、続く現実解。
筋トレは人生を削るためのものではなく、人生を良くするためのものだ。
酒を敵にせず、しかし支配もされない。
その距離感を保てる人こそ、長期的に体を変えられる。