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なぜ急性膵炎より急性胃炎のほうがつらかったのか ― 痛みが長引き、鎮痛剤が効かない構造的理由

酒飲み筋トレマニア

ランニング歴約30年。筋トレ歴&飲酒歴約25年。 無類の焼酎好きで、大体2~3日で1升を空けるペース。 酒を「浴びる」程飲みつつ、トレーニングを定期的にすることで健康状態をどれだけ維持できるか、自らの体で実験中。 1日1~2食(朝食は食べません。)

こんな方におすすめ

  • 急性胃炎や強い胃痛を経験し、痛み止めが効かず不安になった人
  • アルコールや暴飲暴食をしていないのに、なぜ胃炎になったのか腑に落ちていない人
  • 寒い環境や立ち仕事、ストレスの多い働き方で、胃への影響を知っておきたい人

2024年の11月。急性膵炎を経験した。
あのときの痛みは強烈で、「これは本当にまずい」と直感するレベルだった。ただ、治療が進むにつれて、痛みにははっきりとしたピークがあり、少しずつ引いていく感覚もあった。

ところが今年2026年1月7日、急性胃炎になったときのつらさは、性質がまったく違っていた。
午後に病院で点滴を受け、痛み止めも入れてもらった。それでも症状はほとんど変わらず、その後に処方薬を飲んでも、夜になってからの痛みはむしろ際立った。横になれず、眠れず、時間だけが過ぎていく。正直、精神的には膵炎よりも追い込まれた。

アルコールを飲んだわけでもなく、暴飲暴食をした覚えもない。ただその日は急に冷え込み、屋外で立哨の仕事をしていた。加えて、ここ最近、仕事上で積もっていた小さなストレスもあった。
なぜここまでつらくなったのか。
体験後に調べていく中で分かったのは、急性膵炎と急性胃炎では「痛みの仕組みそのもの」がまったく違うという事実だった。

急性膵炎と急性胃炎は「痛みの種類」がまったく違う

「腹痛」と一言でまとめられがちだが、急性膵炎と急性胃炎の痛みは、発生源も性質もまったく別物だ。
この違いを理解しないと、「なぜ胃炎のほうが長くつらいのか」が腑に落ちない。

まず急性膵炎。
膵炎の痛みは、膵臓そのものに起きた炎症による深部臓器痛だ。体の奥から締め付けられるような、逃げ場のない強烈な痛みが特徴で、ピーク時の破壊力は非常に高い。ただしこの痛みには「山」がある。炎症がピークに達し、その後、点滴や絶食によって炎症が抑えられていくと、痛みも段階的に下がっていく構造になっている。

一方、急性胃炎の痛みは性質がまったく違う。
胃炎の痛みは、

  • 胃酸による化学刺激

  • 胃粘膜の損傷

  • 粘膜直下の神経過敏

この3つが同時に絡み合って起こる。つまり、**「炎症そのもの」よりも「刺激にさらされ続ける状態」**が痛みの正体だ。

ここで重要なのが、痛みの時間軸の違いだ。
膵炎は「ピーク型」の痛み。
一気に強くなり、その後は下がっていく。

胃炎は「持続型」の痛み。
弱まったと思っても、またぶり返し、終わりが見えない。

同じ腹痛でも、膵炎は「一山越える痛み」、胃炎は「終わらない痛み」。
この構造の違いこそが、体感としてのつらさを大きく分けている。


胃炎の痛みは「刺激が止まらない構造」で長引く

急性胃炎が地獄のように長引く理由は、胃という臓器が持つ構造そのものにある。

胃は休まない。
食事中だけでなく、空腹時でも動き続け、胃酸を分泌し続ける。
これは生きるために必要な機能だが、胃粘膜が傷ついている状態では、その正常な機能すら攻撃に変わる

胃炎が起きているとき、胃の中では次のような状態が同時進行している。

  • 胃粘膜は炎症で薄くなっている

  • 胃酸はいつも通り分泌される

  • 胃は蠕動運動を続ける

つまり、炎症があっても刺激が止まらない
これが膵炎との決定的な違いだ。

さらに夜になると状況は悪化する。
横になることで胃酸が逆流しやすくなり、空腹時間が長くなることで胃酸濃度も上がる。周囲が静かになり、意識が痛みに集中することで、脳は痛みをより強く認識する。

結果として、

  • 夜に痛みが増す

  • 横になるほどつらい

  • 眠れない

  • 時間だけが過ぎる

という「逃げ場のない感覚」が生まれる。

胃炎の痛みがつらいのは、強さだけではない。
終わりが見えないこと、止める手段が少ないことが、精神的な消耗を極端に大きくする。
これが「胃炎のほうが地獄だった」と感じる大きな理由だ。


点滴や鎮痛剤が効かなかった本当の理由

「病院で点滴の痛み止めを入れても効かなかった」
この経験は、胃炎では決して珍しくない。

その理由は単純で、多くの鎮痛剤は“炎症痛”を抑えるための薬だからだ。

鎮痛剤は、

  • 炎症物質の産生を抑える

  • 痛みの信号を鈍らせる

といった仕組みで作用する。
これは膵炎のような「炎症が主因の痛み」には比較的有効だ。

しかし胃炎の痛みの主因は、炎症だけではない。
胃酸という化学物質が、傷ついた粘膜と神経を今この瞬間も直接刺激している

つまり、

  • 痛み止めで感覚を鈍らせても

  • 胃の中では攻撃が継続している

という状態になる。

その結果、

  • 効いている実感がない

  • 数時間後にまた激痛

  • 場合によっては悪化したように感じる

という現象が起きる。

これは治療が間違っているのではなく、痛みの種類と薬の役割が噛み合っていないだけだ。
胃炎では「痛みを止める」よりも「刺激を止める」ほうが圧倒的に重要になる。


寒さとストレスが胃粘膜を一気に弱らせる

今回の急性胃炎には、アルコール以外にも重要な引き金があった可能性が高い。
それが「寒さ」と「ストレス」だ。

寒い環境で長時間立ち続けると、体は体温を守るために血管を収縮させる。
このとき優先されるのは脳や心臓で、胃粘膜の血流は後回しにされやすい

胃粘膜は血流によって修復され、守られている。
血流が落ちるということは、防御力が一気に下がるということだ。

そこにストレスが加わるとどうなるか。

  • 交感神経が優位になる

  • 胃酸分泌が増える

  • 胃の動きが乱れる

つまり、

攻撃(胃酸)は増え、防御(粘膜血流)は減る。

この状態が続けば、アルコールがなくても胃炎は成立する。
寒さと怒りは、目に見えないが確実に胃を削る要素だ。


まとめ

急性胃炎がここまでつらくなるのは、決して珍しいことではない。
そしてそれは、我慢が足りないからでも、体が弱いからでもない。

  • 胃は刺激が止まらない臓器

  • 胃炎の痛みは持続型

  • 鎮痛剤が効きにくい構造

  • 寒さとストレスで一気に悪化する

これらが重なれば、「地獄の夜」になるのは自然な流れだ。

構造を知っていれば、

  • 無理に痛み止めに頼らない

  • 寒さとストレスを軽視しない

  • 早めに刺激を遮断する

という選択ができる。

胃炎は甘い病気ではない。
だが、仕組みを知っていれば、同じ地獄を繰り返す確率は確実に下げられる

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